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「totomeのパチンコ記録」へお越しいただきありがとうございます。
前回の第21話では、7月2日の土曜日、P店のフィーバークィーンⅡ378番台で、持ち玉6箱から弾き出した独自の耐久計算論、そして大当りの波に恵まれて心から満足できた素晴らしい1日についてお話ししました。
しかし、この週末の幸運の裏には、日々ホールに通い詰めて見えてきた店長独自の調整パターンが存在していた。
今回は、そのホール側の動向に振り回されながらも、自分自身に課した新たな防衛策と、マグレ勝ちの恐ろしさについて振り返る。
1週間のホール側の動向を読む
店長という釘師の日常的な動き
私が土日を避けるようになったのは、日々P店に通うようになって5か月が経ち、店長(釘師兼任)の基本的な行動が少しずつ見えてきたからだ。
あくまでも基本だが、平日であれば月曜日に釘を開けて出たらその台は閉める。
金曜日まで出るまでは据え置きする。
出ても出なくても土曜日には釘を閉める、という明確な流れを感じていた。
まだ完璧ではないが、このあたりはこれからも慎重な観察が必要だと感じていた。
7月3日の日曜日。前日の良好な結果に気を良くして、のこのことP店へ出向き、フィーバークィーンⅡのシマだけを見て回った。
そこで打たずに真っ直ぐ帰れないのが、まだまだ未熟者の証拠である。結局、昨日良好な結果を出した分から投資2万円をお返しして退散となった。
期待の月曜日と閉ざされた釘
7月4日の月曜日。今日は一番期待できる曜日である。胸を躍らせて開店直後のP店へ入店した。
いつも通りフィーバークィーンⅡのシマへ向かう。あり得ないとは思いつつも据え置きを狙い、一昨日の378番台をまず確認した。
当然のように閉まっている。少し良さげに見えた508番台を触ってみるものの、やはり手応えは悪く、他店の下見をしながら帰宅した。
7月5日の火曜日。3連敗は防ぎたいところ、台選びは慎重に、と自分に言い聞かせP店へ入店した。
月曜日に開いていない週は、ホール全体が期待薄である。
今日と同じ景色に見える。昨日と同じ507番台を触ってみたが、玉の流れはおぼつなく回りムラも大きく、台の本来の能力が掴みにくい状態だった。
見た目もヘソ(命釘)が足りないため、深追いは厳禁だ。
何回か当たるも回りの悪さに耐えられず稼働を終了。投資500円の負けとなり、これで3連敗を喫してしまった。
削られる肉体と「4連敗阻止」の掟
1回転を追求する自分のスタイルと代償
この過酷な平日の稼働の中で、私はある極端な決めごとを自分に課していた。
それは「稼働中は一切の食事を取らない」ということだ。
食事に30分使うくらいなら、その時間でデジタルの回転数を1回転でも多く回したい。
当時、月に25日前後、1日12〜13時間を冷房で冷え切ったシマで過ごす中、私の胃袋を満たしていたのは自販機の飲み物だけだった。
喉を潤すのは冷たいコカ・コーラ、そして店内の激しい寒さで手元が震えるときは、自販機のカップに入った甘ったるいホットカフェオレ。
この偏った液体燃料だけで日々の闘いをしのいでいた。
当時はまだ若さで維持できていたが、この食事すら惜しむ執念が、のちに56kgあった体重を45kg以下まで激減させていきます。
数年後に肺炎で入院寸前まで追い込まれるという、この生活を辞める決定的な伏線になっていくのだが、この時の私は知る由もなかった。
鉄の掟と508番台の妥協
7月6日の水曜日。最近の私の中に、新しく一つ追加した絶対のルールがあった。それは、「4連敗だけは絶対に避ける」という鉄の掟である。
ここを何としても食い止めないと、精神的な焦りからズルズルと連敗の泥沼にハマり、抜け出せなくなるからだ。
この世界で生き残るために、これは非常に重要な防衛策だった。意気込みと緊張感が入り乱れる中、今日という大事な1日を迎えた。
「開いていてくれ」と願いつつフィーバークィーンⅡのシマへ向かう。
さほどの違いは感じられなかったが、昨日私が見落としていたのか、あるいは今日急に開けたのかは定かではないものの、508番台のヘソ(命釘)が少し広い感じがした。
ヘソ(命釘)のサイズだけを見ても、理想には届きそうにない。
それでも、33回転前後はありそうな気がした。
ものは試しと安易な発想で508番台を確保する。
実戦は、まさに見た目通りの回りがダラダラと続く展開となった。
途中、1,017回転という強烈な大ハマリを食らって冷や汗が背中を伝ったが、何とか最後まで粘り倒した結果、良い形に繋がって4連敗は免れた。
4連敗阻止のために必死で打った台であり、率先して打つレベルではなかったが、結果オーライと言える1日だった。
【パチンコ昭和・平成レトロあるある:稼働中の食事カットと「自販機ドリンク」頼み】
◆ 「1回転でも多く」が生んだ過酷な断食スタイル
12時間以上シマに縛り付けられるプロにとって、食事の30分すら「回転数を損する時間」でした。
ホール外に出て食事をとる習慣はなく、終日稼働の栄養補給はホールの自動販売機のみという極端なプレイスタイルが常態化していました。
◆ 身体を温める「カップ自販機のあたたかいカフェオレ」
ガンガンに効いた店内の冷房で冷え切った身体と手元を温めるため、ボタンを押すと紙カップに注がれる甘ったるいホットカフェオレや缶コーラが唯一の「液体燃料」でした。
若い体力を前借りしてハンドルを握り続ける、昭和〜平成初期プロの泥臭い舞台裏です。
【この日の実戦から学んだプロの金言】
◆ 「負けるべくして勝つ」マグレ勝ちを毒と見抜く
回らない回収台でたまたま当たって勝ってしまう「マグレ勝ち」は、打ち手の感覚や判断基準を最も狂わせる危険な毒です。
自分の目と基準(打てない体)を信じ、回らない台で勝ったときほど「たまたま運が良かっただけ」と冷徹に自分を戒める姿勢が、生き残るプロの条件となります。
◆ 「4連敗の阻止」という精神的防衛策を持つ
連敗が重なると心理的な焦りが生じ、無理な台選びや深追いに繋がります。
「絶対に4連敗だけは避ける」という独自の防衛ルールを設定し、リスクを最小限に抑えながら立ち回ることで、長期的な収支とメンタルの安定を保つことができます。
『負けるべくして勝つ』という最大の罠
七夕のホールに潜む「マグレ」
7月7日の木曜日。世間では七夕というイベントのようだが、ホールと戦う私には一切無関係の話である。
月曜日にヘソ(命釘)が開かなかった週の、耐え忍ぶ木曜日。
昨日、4連敗を食い止めることが出来て一安心し、今日もフィーバークィーンⅡのシマへ向かった。
やはり全体的に釘は閉まっている。
少しだけお返しするつもりで、先日打った507番台に座ってみた。
ここで、多くの一般の打ち手が勘違いしてしまう、思いがけない現象が起きる。
それが『負けるべくして勝つ』という現象だ。
通常、そのまま打ち続ければ確実にマイナス収支になる回転数なのに、たまたま確率の悪戯でポコポコと当たって良好な結果になってしまう現象。
そう、ただの「マグレ」である。この甘い果実があるからこそ、パチンコに骨までハマり、やめられなくなる人が後を絶たないのだ。
撒き餌を自覚する冷徹な視点
まさに、今日の507番台がそれだった。
お返しするつもりが、引きの強さだけで少しばかりだが勝利を頂いてしまう結果となったのである。
一般の客であれば七夕の奇跡と喜ぶのだろうが、ジグマプロとしての意地から見ればこれは最も恐ろしい勝ち方だ。
回らない回収台で勝つことは、自分の目と『打てない体』の基準を狂わせる毒でしかない。
これもまた、店長がホールのどこかに仕込んだ「撒き餌」の副産物に過ぎないのだと、カフェオレを飲みながら自分を戒めた。
翌日の7月8日、金曜日。どうにも気が乗らなかったため、この日はP店に行くのをやめて思い切って休養に充てた。
終わってみれば、この1週間の勝敗は3勝3敗の五分という結果だった。
「よし、また明日から頑張ろう」収支表を閉じながら、次なる戦いへと気持ちを切り替えた。
1週間の収支を五分で終え、数字の上では耐え切った形になりました。
しかし、食事を抜いてコーヒーとコーラだけで体を酷使し、回らない台でマグレ勝ちを拾うような立ち回りが長く続かないことは、自分が一番よく分かっていました。
店長が月曜日に釘を閉めた週に、どうやって自分のスタイルと防衛策を維持していくか。
ホールの空気は、夏本番に向けてさらに熱を帯びる一方で、専業に対する締め付けは徐々にその厳しさを増していくことになります。
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。
次回、【第23話】開かない月曜日|打てる台が消えた夏(前編)(1994年7月中旬)では、3勝3敗の五分で終えた翌週、再び動き出したP店の釘調整の裏をかく実戦の日々を振り返ります。
徐々に厳しさを増す環境のなかで、専業としての孤独に直面しながらも、私がホールの空気から感じ取った「真の立ち回り」の核心をお届けします。
どうぞお楽しみに!


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